1 1.「社会貢献活動」ってなんだ? 「社会貢献活動」とは、持続可能な社会の実現のために活動する学外の市民団体や施設などで50時間以上の実習を行って単位を取得する授業科目群です。本学では、他大学などに先駆けて開講しており、来年度で20年となります。これまで、実習先など、学外の方々の協力のもと、発展して今の形になりました。 「社会貢献活動」には、始めに取り組む「社会貢献活動1」と、それを履修した後に同じ活動分野をさらに深める「社会貢献活動2」があります。 学外には若者のチカラを必要としている市民団体や施設がたくさんあります。自分がもっている力を引き出しながら、地域の課題について一緒に考えたり体を動かしたりすることで、学生が社会人としての実践的な技術を習得するとともに、人間的にも成長していくプログラムです。 2.「社会貢献活動」の目的は? 「大学」では何を学べばいいのでしょうか。高校と違い、どんな科目を取るかも自分次第、余った時間を何に使うかも自由。これまでのように決まったレールをたどるやり方ではないため、戸惑う学生もちらほら見られます。大学は、社会という大海に出ていくためにさまざまなチカラを養う場であり、 また自分に秘められたチカラに気づく場でもあります。失敗してもいい。1歩進んで2歩下がってもいい。そこから自分で何を学ぶか、が大事です。自主的に チャレンジした分だけ自分の中の何かが変わります。 本学は工学系の大学ですから、工学の知識や技術を学ぶことはもちろんです。しかし、学びを活かすためには、豊かな人間性や発想力を兼ね備えたバランスのとれた人材育成が大切です。そのため、「社会に貢献する技術者の育成」を大学の教育目標として掲げています。この「豊かな人間性や発想力」を育むには、「社会貢献活動」のように、実際に社会に 出ていき、実習することが大切だと考えています。 なぜ、「豊かな人間性や発想力」や「社会に貢献すること」が大切なのでしょう。それには、私たちのすむ社会がグローバルにつながり合い、見えないと ころで相互に影響をしあっているという現実がまずあります。近い将来、技術の発達などによって世の中の仕事のあり方も大きく変わってくることが予想されています。気候変動や貧困、格差など世界がさまざまな課題を抱える中で、市民社会の一員として一人ひとりの選択と行動が求められているのです。 では、働き方はどのように変わっていく のでしょうか。ロボットやAI(人工知能) の技術の発達に伴い、これまでの仕事や職 業のあり方が変化しています。すでに、 ロボットが運営しているホテルや喫茶店が 存在しています。あと10〜20年もしたら、今ある仕事の50%近くは職業として成り立たなくなると予想する人もいます。そのとき、必要な力は何でしょう。本学では、「豊かな人間性や発想力」そして、「社会に貢献できる力」が重要になっていくと考えているのです。そして、これらは、「社会貢献活動」で培われる力なのです。 3.「社会貢献活動」の教育目標 このように、「社会貢献活動」は、「社会に貢献できる力」を学び取ることが第一の目標です。具体的に言えば、社会の中で周りの人々と意思疎通を図り、協力して仕事をして、目的を達成していくために必要な力を磨くことです。これは、大学の中という特定の限られた人だけが生活する場ではなく、社会に出て、実社会の営みの中で獲得することができる力 です。しかし、社会貢献活動で得られる 力はそれだけではありません。自分が社会に出た時に、どのようなことができるのか、あるいは周りからどのようなことを期待されるのか、を 社会貢献活動とは
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