2013-2015年のO/K君は、卒業後も仕事の休みを利用して、大会に顔を出してくれました。 もちろん、ただの観客・OBとしてでは済まない ことを承知の上で。3人ともぶつぶつ文句言いながらも、その当時のボランティアや湘南工科の学生たちと一緒に活動をしてくれました。本当にありがたい存在でした。次第に連絡はとれなくなり、今はどこで何をしているやら……。けれどもきっと、何かしらの形で『車いすテニス』という言葉を耳にしたときには、大会のことを思い出してくれているのだろうなぁと、勝手に思っています。 貴団体にとって学生と活動(協働)する面白み、メリットは何でしょうか? 2003年より協働を開始以来、長く実習生を受け入れ続けてくださっている神奈川県車いすテニス協会の片岡さんに、伺いました。 ※実習団体へのアンケートの回答内容を再構成したものです。 受入当初と現在とで歴代実習生の変化をどのように感じられますか? 正直に申し上げます。受け入れ当初の学生は、やんちゃな子ばかりでした。けれども、活動をしていく数日で表情がどんどん柔らかくなっていく姿が、とにかく嬉しかったことを覚えています。最近は、比較的まじめ(⁈)に希望してくる学生が多いように思います。まじめに活動してくださるのはありがたいのですが、ちょっぴり面白味に欠けるかな……というのは、ぜいたくなのでしょうか。 印象深いエピソードがあれば、ぜひ教えてください 【2010、11年 N/S君 T/S君】 活動最終日に『おれたちがすげー頑張ったこと、ちゃんと先生に伝えてほしい』と、言われたことです。いわゆるチャラい印象を受ける学生でしたが、本当にいろいろ考えて動き、選手たちとも積極的にコミュニケーションをとっていました。日ごとに生き生きとしていく彼らが、とてもまぶしく見えました。そんな彼らからの頼み事。それを言わざるを得なかった彼らのこれまでの人生に寂しさを感じましたし、同時に、それを言えるようになるほど、彼らが私たちのことを信頼してくれたことを嬉しく思いました。 【2019年 N/H君 T/M君】 この年は、天候に悩まされ続けた大会(雨・猛暑)でしたが、とにかく先を見通す力を持っている二人でした。常に『次はこうなるはずだから、この準備をしておこう』と話し合っている姿を見ることができました。そして、自分たちの指示の出し方など仕事の仕方についての振り返りもまめにするなど、これまでの大会史上最高にまじめな二人でした。それまでは、学生たちをおもしろがるだけの私でしたが、この二人に関しては、感心することの方が多く、印象に残っています。 活動終了後も学生が関わった例は? 2007年M/M君、2008年K/Y君、 35 20周年特集実習テーマ 「車いすテニス大会サポート」 神奈川県車いすテニス協会 事務局 片岡 圭子 さん 1にも2にも、『フットワークの軽さ』『体力』『若さ』です。また、私たち同様に、朝早くから夜遅くまで毎日いるスタッフとして、選手や競技スタッフたちは見てくれます。単位のため、ということも選手たちはわかっていますが、全力で活動する学生たちを温かく見守ってくれます。その雰囲気が、また大会全体の空気感となっているように思います。 全体を振り返って感じることは? 振り返ると本当にいろんな学生が来てくれたなぁ、と。やんちゃ系、チャラい系、まじめ系、饒舌系に寡黙系。どの学生もみな、何らかの足跡を残してくれています。2003年から始まったこの繋がりが、今日まで途切れることなく続いていることはひとえに担当の先生方のおかげです。 『最短で単位がとれる活動』これまでのどの学生にも共通している選択理由です。(初日に確認しています!)けれども、どの学生もこちらの想像をはるかに超えることを感じ、得たことを自分自身に落とし込んでいきます。これからも、それができる活動としても大会に磨きをかけていきたいと思います。やはり学生たちとの出会いは、私個人にとっても大きな大きな宝です。今後ともよろしくお願いいたします。 こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします 実習担当者のまなざし
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