学報83号
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04SHONAN INSTITUTEOF TECHNOLOGYKeywords確率・統計、機械学習テキストマイニングICTの多様な分野を横断的に活用できる技術者を育成テキストマイニングとは、大量のテキストデータから役立つ知識を発見する技術です。数年前に、言語固有の文法知識を用いずに、日本語や英語、中国語などの新聞記事を高い精度で自動的に分類する手法を提案し、国際学会で最優秀論文賞を受賞しました。最近では、研究対象のデータをテキストのみならず、ハイスピードカメラで撮影した画像データにも拡張し、スポーツテックの研究にも挑戦しています。例えば、優秀な選手の身体の動きをコンピュータに学習させ、指導対象の選手の欠点を指摘し、技術向上に役立たせることも可能です。将来的には、XRの技術も取り入れ、離れた場所にいる選手への遠隔コーチングも可能にしたいと考えています。無ひずみデータ圧縮とは、「圧縮前の状態に戻せる」手法です。当研究室では無ひずみデータ圧縮の数学的解析を行っており、新しいアルゴリズムの開発を目標としています。 現在、動画像など大容量ファイルの送受信は日常的に行われており、今後はより重要となるテーマです。この分野の研究は数学的な手法を用いるため「正しさが保証されること」「理論として証明したことが世の中にずっと残ること」に私は魅力を感じます。モノづくり方面では、低電圧で動く真空管の回路製作に関する研究を中心に行っています。通常は200Vから300V程度という高電圧で動かす真空管ですが、20〜30Vという低電圧で真空管回路を動かすため、シミュレーションを利用した真空管アンプの製作をしています。鎌倉時代に源頼朝が創建し、室町時代に焼失・廃寺となり、現在は国史跡となっている永福寺跡について、遺跡・遺構からの情報を基に3DCGで復元する試みを鎌倉市との協働で2004年からスタートしました。3DCGのデータを活用し、「VR 永福寺」、スマホアプリ「AR 永福寺」を2017年にリリースしたときには大きな反響をいただきました。授業ではチームで取り組むゲーム制作を担当しており、進み具合をライブ配信サービスで月に一度、発表するようにしています。3DCGやUnityといったゲーム制作に必要な技術は、VR・ARの制作でも用いられています。授業で学んだ学生が将来的に文化財のデジタル化に携わってくれたら嬉しいですね。2023年4月開設【研究テーマ】データからの知識発見【研究テーマ】無ひずみデータ圧縮に関する情報理論的な研究Keywords情報理論、組込プログラミングネットワーク、暗号化【研究テーマ】文化財のデジタル化、モバイルコミュニケーションシステムに関する研究KeywordsVR・AR、CG・3DCG、アプリ開発ゲーム湘南工科大学の女性教員に、中高生の頃どんな理由で文理選択したのか、今の研究に至った経緯やきっかけなどを聞いた「SIT LAB Movie(SITラボムービー)」が、本学公式Webサイト内で公開されています。この動画は、2005年から内閣府男女共同参画局が中心となって行っている「リコチャレ」の取り組みに賛同する本学女性教員12人が協力し、女子中高生などが理工系分野に興味・関心を持ち、将来の自分をしっかりイメージして進路選択することを応援しています。情報学科 人工知能専攻鈴木 誠 教授情報学科 情報工学専攻有村 光晴 講師情報学科 情報メディア専攻井上 道哉 助教より高度な専門知識と技術が学べる幅広い分野の研究室から一部をご紹介しますTopicsSIT LAB Movie(SITラボムービー) ——— 先生たちって、どうやって進路選択したの?THESHONAN情報学部

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