学報83号
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05【研究テーマ】ワイヤレスセンシングとIoTの研究【研究テーマ】光ファイバー通信技術の研究【研究テーマ】「モノ–ヒト–地域」を対象に、未来へと導く新たなデザインを追究するKeywordsプロダクトデザイン、グラフィックデザイン地域デザイン、農業デザイン、デザイン文化【研究テーマ】血液浄化療法における患者の負担を軽減する研究Keywords血液透析、液体換気、血液浄化拡散、濾過Keywords3D CAD・3Dプリンター、IoTワイヤレスセンシング、スポーツ工学Keywords光ファイバー、光増幅、光通信システムデジタル技術を活用したイノベーションに挑むワイヤレスセンシングとIoTを組み合わせた技術の開発に取り組んでいます。事例の一つはパラスポーツにおける展開です。義足ランナーのための義足用高機能アダプターの開発に携わりました。一流アスリートの足のスイングスピードや地面反力などを計測し、データ分析から、初心者がパラスポーツに安心してチャレンジするための高機能なアダプターを目指しています。また、ワインの開発に参加し、醸造の過程におけるアルコール濃度と醪(もろみ)内の温度など、これまで熟練した匠の技で判別してきたさまざまなデータを「見える化」することに成功しました。経験の少ない人材でも品質の安定したワインづくりを可能にするシステム構築に貢献しています。皆さんが普段使っている携帯電話と基地局をつないでいるのは電波ですが、その先がどうなっているか考えたことはありますか。その先は、光ファイバーによる光回線網が張り巡らされ、通信インフラを構築しています。しかし、光ファイバーを伝わる光信号は距離が長くなるにつれ、強度が弱まるという弱点を抱えています。そのため途中に「光増幅器」を設置して強度を強める仕組みとなっているのです。インターネットの通信量は過去12年で約20倍、年率約30%の増加傾向にあり、今後もその増加が収まる兆しはありません。さらなる通信量の増加に備え、当研究室ではより多くの伝送容量を実現する光通信システムと、それに適した光増幅技術の確立を目指しています。当研究室では、人間・生活・社会とモノとの関わりに関する諸問題を科学的に検証し、総合的な「デザイン科学」に取り組んでいます。例えば、日常生活で使用する漆器は、漆や木材など素材の特性を理解し、保温性、熱伝導率などを徹底的に吟味して、美と機能性を兼ね備えた製品に仕上げます。デザインは正解のない奥深い領域です。そのため、理想を追究する過程で時に困難を伴いますが、学びを通じてデザインの楽しさや醍醐味も感じてもらえるでしょう。社会では企画から製品化、使用感の検証など一通りのプロセスをマネジメントできる人材が求められています。そうしたニーズに応える総合的なデザインマインドを持った「デザインができる人」を目指し、共に学んでいきます。弱った腎臓の代わりに血液中の老廃物や余分な水分を取り除き、浄化された血液を体内に戻す治療―それが人工透析で、国内には約34万人もの患者がいます。通常は「脱血」用と「返血」用の2本の針を用いるダブルニードル(DN)透析が主流ですが、当研究室では1本の針で人工透析を行うシングルニードル(SN)透析の研究をしています。針を刺す箇所が1箇所に減るため、痛みやストレスが軽減される点がSN透析のメリット。一方、SN透析はDN透析と比較して治療効率が低いことが問題のため、SN透析を実際に行う患者は数百人にも及びません。SN透析の効率を改善する装置を開発し、34万人の患者に貢献することが私たちの目標です。機械工学科加藤 和弥 教授電気電子工学科小野 浩孝 准教授総合デザイン学科禹 在勇 教授人間環境学科宮坂 武寛 教授工学部

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