学報85号
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SHONAN INSTITUTEOF TECHNOLOGY当日は天候も良く、卒業生や関係者、近隣にお住いの方々が朝から大勢キャンパスを訪れ、研究室公開などを楽しんでいただきました。記念講演およびコンサートも満席の中で行われ、本学の60周年を祝うにふさわしいにぎわいとなりました。ご来場いただいた皆さまに感謝を申し上げますとともに、これまで本学を温かく見守り、ご支援いただきました皆さまにも厚く御礼申し上げます。国民のために体を張るからこそ「政治家」「外交」とは?記念イベントに登壇した糸山英太郎総長は、自身の半生を振り返りながらの体験談や教育だけに収まらないこれからの日本の未来に対する思いなどを糸山流の熱いメッセージと歌で届けました。今年度で湘南工科大学は創立60年を迎えました。これまで様々な苦難がありましたが、無事に60年という節目を迎えられたのもひとえに、在学生や保護者の皆様、卒業生、教職員、関連企業や地域の皆様のおかげと感謝申し上げます。この場を借りて厚く御礼申し上げます。6月4日の特別講演において、私は自身の人生を振り返ると共に、昨今の政治情勢について己の考えを述べました。それに対し、「戦争のことが心配だった。その通りだと思った。」「現政権の批判をそこまでしていいのか。」など、前向きなものや批判的なものを含め、多くの反響がありました。私は、自分の考えを述べただけであって、賛成や反対を判断するのはもちろん皆さん自身です。学生諸君の将来に関係する極めて重要なことですので、改めてここに記します。総理大臣が官邸で息子とはしゃぐなど論外である。官邸は仕事をするところであって、遊ぶところではない。また、選挙の時にだけ「北朝鮮へ行って、拉致被害者を連れて帰ってくる」などと言う政治家がいるが、本当に北朝鮮へ行って、拉致被害者を連れて帰ってきたのは小泉純一郎元総理だけである。日本に必要なのは、官邸で真面目に働く首相であり、怖がらずに北朝鮮と直接対話ができる首相である。政治家は、国民のために体を張るからこそ政治家なのである。これができない岸田内閣には総辞職しかない。かつて、衆議院の外務委員長を務めていた私は、旧ソ連のシュワルナゼ外務大臣と北方領土の返還を求めてやり合ったものだ。通常02であれば、せいぜい1時間が精一杯の会談時間についても1時間45分を確保した上で、ジョークを交えながらも北方領土返還に向けての交渉をじっくり進めつつ、決して日本とソ連が戦争になるような状況にはしなかった。ところが、今の自民党は外交すら満足にできていない。岸田総理は、ウクライナだけにトラックや発電機、そして、資金などを支援した。さらに、G7広島サミットにあわせて、ゼレンスキー大統領を国賓でご招待申し上げるなんてことを言っていた。戦争当事国であるウクライナだけを支援したら、もう一方の戦争当事国であるロシアはどう思うだろうか。すでに、ロシアの駐日大使は離任し話し合いができる状態ではなくなっている。ロシアからも、中国からも、北朝鮮からも嫌われて、今の日本は四面楚歌である。そのうち、アメリカからも見放されるかもしれない。資源に乏しい日本は、世界のどの国からも好かれるような国でなくてはならない。THESHONAN 心の叫びー糸山英太郎総長メッセージ2023年6月4日、本学は創立60周年を記念して、記念講演および記念イベントを開催しました。

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