学報85号
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05もっと詳しく!「作りたいロボット」がある! その情熱が大切主に取り組んでいるのは「ヘビ型ロボット」です。例えば、瓦礫の中や宇宙空間、惑星の地表といった場所でも移動可能という特長があります。研究室ではその移動能力の向上を目指した移動機械の機構設計と運動制御を提案し、試作機によりその性能を評価しています。大学でロボットを学ぶ場合、力学の基礎やマイコンの使い方を身につけるのが第一歩。2年次の「機械工学プロジェクト基礎A」では、実際にロボットを作り、「ミニロボコン」を開催するなど実践的に学びます。研究室のある4年次生は「自分が思うようなロボットを作りたい」と、不整地では歩行、平坦な路面では大口径車輪というように、周辺環境によって移動法を切り替えるロボットを製作しています。ぜひ私たちと新たなロボット開発に挑戦してみませんか。「制御」技術を応用して障がい者支援に取り組む研究室では、企業との連携で、重度の障がいを持つ方がコミュニケーションを取るためのシステム開発に取り組んでいます。センサーと50音表を使って言葉や知識を文章化する仕組みに着目し、脳性まひなどで身体の一部を“ほんのわずかしか”動かすことができない方の協力を得て、データ収集・分析の研究を日々行っています。ミクロレベルの皮膚の“シワ”を読み取り、何十万、何百万倍にも増幅させる高感度センシング技術を駆使し、50音表から文字を選択することで、身体の好不調をYes/Noで示して意思を伝達することが可能になります。また将来的な展望としてIoT技術との連携により車いすを動かして活動範囲を拡大することも考えています。「体験するほど価値が高まる」̶ そんなデザインを考えよう 色や形を考えるだけのデザインでは、モノは簡単に売れない時代です。生活者によりよい体験(ユーザーエクスペリエンス)を提供するために、プロダクトやサービスを追究する「UXデザイン」。万年筆や工芸品、味わい深く色落ちしたジーンズなどのように、使うほどに愛着がわき価値を感じるような「価値成長デザイン」。この研究では体験するほどに成長する心理的な価値を分析し、デザインに盛り込む方法を解明します。また「デザイン発想・共創」のテーマでは、実践を通じて、アイデアをデザインにつなげていく方法、プロセス、ツールの研究も行っています。クリエイティビティを発揮したい、創意工夫が好きということなら、ぜひデザインを学んでみてください。「より遠くへ投げる」方法を解き明かす「スポーツバイオメカニクス」とは、運動しているときの体の動き・動作の仕組みなどを分析し、物理や力学といった基礎知識を用いながら解明していくことです。その中でも映像を用いた動作分析で「モノをより遠くへ投げる」方法を探っています。例えば、砲丸投の場合、砲丸をリリースするまでの約2秒間、身体の中でいかにエネルギーが作り出されているのか、そして砲丸の初速にどうつながっているのか理論的に分かります。やり投の場合は助走で蓄えられたエネルギーがどのようにやりに伝わり、速度が獲得につながるのかといったように、種目ごとに指導や練習に役立つアプローチもできます。スポーツを深く洞察するとともに動きを実際に計測し、分析しながら理論的な方法も学べます。研究テーマ移動ロボットの機構設計と運動制御KEYWORDS#ロボティクス #災害救助 #ヘビ型ロボット#3DCAD  #センシング #ライフサイエンス #プロダクトデザイン研究テーマ投てき運動のバイオメカニクスKEYWORDS#動作分析 #投げる #スポーツパフォーマンス #運動力学デジタル技術を活用したイノベーションに挑む大野 英隆 教授森 貴彦 准教授堀川 将幸 教授加藤 忠彦 講師最先端の技術を学べる各学部・学科の研究室を一部紹介します。Webで機械工学科電気電子工学科研究テーマわずかな皮膚の伸縮や起伏を計測できる皮膚センシング技術と福祉機器の開発KEYWORDS総合デザイン学科研究テーマ生活を心豊かにするデザインの研究KEYWORDS#プロダクトデザイン #UXデザイン #価値成長デザイン #デザイン発想・共創人間環境学科工学部Laboratory

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