味ある分野は専攻という体制で選んでもらえる形にしました。 ただし、単にデータサイエンスやAIがどう使われているかという知識を学ぶだけでは、湘南工科大学が情報学部を設置する意味がありません。全員にエンジニアとしてプログラミングの技術を身につけてもらうことを考えています。また、情報学部では、新しいスタイルの授業を実施する予定です。それが「帰納的な教育」です。これまでの大学の学びは、「入門」→「基礎」→「応用」→「実習」→「卒業研究」→「卒業」という積み上げ方式でした。「卒業研究」まで学びを重ねてから初めて世の中の課題に取り組んだわけです。「帰納的な教育」は逆に、最初に世の中の課題の中から、自分が解決したい課題を見つけ、その解決に取り組むことから始めようという方式。牧教授:ここ数年、「情報工学科」と「コンピュータ応用学科」の学びの内容がどんどん広がり、重なり合う部分が増えてきました。そして、それぞれの学科がいかに特色を出して学生を集め、何を目標として育成していけばよいか、悩んでいました。受験生にこの2つの学科の違いを尋ねるとよく理解していないことも多く、情報工学科があることを知らない受験生も何人かいました。その点からも、一体化して学内的にも、対外的にもシン04課題解決には、学年や専攻の異なる学生がチームを組んで取り組みます。課題を解決するには、どんなことを学ぶ必要があるかを自分なりに考えて、履修する授業を決定していくというプロセスを経て、知識やスキルはもちろん、自主的、主体プルに説明できる体制になったのはよかったと思います。情報学部のアピールポイントは、先ほど学長や二宮教授が語られた部分が核になるとは思います。単に2つの学科がひとつの学部になったのではなくて、統合したからこそできる教育の展開方法を打ち出していけることが最大のメリットだと思います。工科大学にある情報学部だからこそ、しっかりとテクノロジーの知識や、エンジニアとしてのスキルも身につけられるということもアピールしていきます。文系の学生も受け入れていきますが、エンジニアとしての素養をしっかりと身につけていく次代を先取りした「データサイエンス×AI Ready 教育」の実施を強調していきたいと考えています。二宮教授:「情報」を工科大学で学ぶことのベースとして、社会に出てエンジニアとして活躍できる、コンピュータ的に物事に取り組む姿勢も養っていきます。にかかわる仕事に役立つ人材を育成するという特長は大切にしていきたいですね。渡辺学長:工科系の学問は、もともと電気や機械など、いわゆる基盤的な工学にかかわるものが中心でしたが、世の中が発展し、情報学やコンピュータに関する学問が発達してきた中で設置された学科が情報工学科やコンピュータ応用学科でした。当初は規模の小さかった2つの学科が世の中のニーズとともに大きな存在に成長し、気がついたら本学の学生の半数を占めるほどになりました。そう考えると、細胞分裂のように新たに情報学部ができたのは、自然の流れだと思います。工学部の中から情報学部ができるというのは、あるべき姿。世の中の流れに従った、自然の流れだったと考えています。■1年次の学び※どの専攻でも、ICTの10分野を必修で体験します。データサイエンス領域コンピュータサイエンス領域インフォメーションサイエンス領域AI・データサイエンスハードウェア・組み込みソフトウェア人間・認知情報学教育情報システム数理科学インターネット・セキュリティ・WebIoT社会・環境情報学VR・AR・ゲーム 工科大学だからこそ、エンジニアとして活躍できる人材を育成したい
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