SHONAN INSTITUTEOF TECHNOLOGY水素脆化 水素脆化はとても難しい研究分野ですが、理論式ではなく企業の設計者が使いやすい成果(数式や図など)を提示できたらと思っています。水素脆化がクリアできれば水素ステーションがさらに普及し、FCVのコスト低下にもつながります。安全で環境にやさしい水素エネルギー社会の実現を目指しています。落雷位置標定装置雷サージ解析 超低コストかつ高性能な落雷位置標定装置を各地の国立大学などの協力を得て設置し、広く一般の方に落雷位置情報を提供してきました。今後はLLSの受信局をさらに国内に張り巡らせ、アジア地域への増設も検討する一方、スマートフォンで落雷位置が観測できるアプリの提供も予定しています。コンピュータビジョンXRメディア 本研究室には、ARをさらに発展させたMR(複合現実)対応のヘッドマウントディスプレイ、モーションキャプチャ設備などが備わっていて、学生それぞれの問題意識に応じて、バリアフリー化に向けた自由な研究が可能です。ユーザーの視点から設計・開発ができるエンジニアを育てたいと考えています。金属疲労動脈硬化診断装置気象災害防止機械学習KeywordsKeywordsKeywordsより高度な専門知識と技術が学べる幅広い分野の研究室から一部をご紹介します水素による金属劣化を予測し、メンテナンス手法の確立に貢献する 水やメタノール、エタノールなどさまざまな資源から取り出すことが可能、かつ二酸化炭素を排出しないクリーンな次世代エネルギーが「水素」です。水素を利用した代表的な乗り物といえば燃料電池自動車(FCV)があり、水素を供給する水素ステーションの普及も進んでいます。しかし、課題となっているのが「水素脆(ぜい)化」。金属が水素に触れると次第に脆くなり、破壊に至るのが水素脆化です。高価な材料を用いればこの問題をクリアすることは可能ですが、それでは水素エネルギーのさらなる普及は進みません。安定性を確保した低コストの鋼材による水素ステーションの建設を実現するため、数式を用いたコンピュータシミュレーションによって水素の振る舞いを予測し、定期的なメンテナンス手法を確立する研究を推進しています。落雷の被害から暮らしを守るシステムの開発・運用 社会インフラを支える送電、変電、配電設備などの電力系統にとって最大の脅威は雷です。落雷による停電で不便を強いられた方も少なくないでしょう。雷の脅威から私たちの暮らしを守るため、落雷の位置情報をキャッチしてデータ活用する取り組みを2017年から進めています。インターネットを介して共有する「落雷位置標定システム(LLS)」の受信局を日本で初めて本学に設置したのを手始めに、現在までに国内全域53カ所、東南アジア・オセアニア地域20カ所まで拡大しています。本学と全国の各大学および電力会社による「産学」に加え、2020年からは海上保安庁の海洋状況表示システム「海しる」に落雷位置情報の提供を開始するなど「官」も交えた連携へと発展し、いっそう大規模で精緻なデータ提供・活用の実現を目指しています。コンピュータビジョンの技術を活用して、バリアフリー社会の実現へ 研究テーマ「コンピュータビジョン」とは、人間の視覚を模倣するため外界の物体を映像から自動的に認識・理解することを目指した研究分野です。コンピュータビジョンは、現実空間に仮想物体あるいはデジタル情報を重複表示するAR(拡張現実)に応用されています。視覚から脳に入る情報は膨大であり、機械の眼として高度に画像情報を処理する必要があります。かつてのコンピュータビジョンは画像から物体を認識することに限界がありましたが、ディープラーニングに代表される機械学習の新たなアプローチが加わり、物体を正確に認識することが可能となりました。本研究室ではコンピュータビジョンの研究を応用して、視覚障がい者向けの点字認識、聴覚障がい者を支援するための手話・指文字認識の研究を進めています。機械工学科大見 敏仁 准教授[ 研究テーマ ] 水素脆化機構の解明および動脈硬化・電気電子工学科成田 知巳 教授[ 研究テーマ ] 電力設備の耐雷設計・保守高度化に関情報工学科宮川 勲 准教授[ 研究テーマ ] 社会に役立つ拡張現実空間構築のためのコンピュータビジョンに関する研究08THE SHONAN動脈瘤診断装置する研究THESHONAN
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