学報86号
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02SHONAN INSTITUTEOF TECHNOLOGY工学部と情報学部の2学部体制で本学の新たな可能性を築いていく多様な学生が集まることで意義を深めるアクティブラーニング寄付金についてのご報告未来の社会に貢献できる技術とリテラシーを備えた人材育成へ 本学は2023年度から工学部と情報学部の2学部5学科の新体制となっています。1963年の開学以来、工科系単科大学であった本学に「情報学部」を新設したことで、受験生をはじめとする多くの方々に、本学の新たな可能性を感じていただけたという手応えを感じています。 新たに開設された情報学部は、従来工学部にあった情報工学科とコンピュータ応用学科を情報学科として統合したうえで、人工知能や情報メディアなどの専攻を設置し、日進月歩で進化する情報領域の学びに柔軟に対応できる体制を作り上げています。工学部でも従来の機械や電気といった工学の基幹技術に加えて、そうした技術の進化をサポートするデータサイエンスやAIといった情報領域の学びを取り入れています。2学部体制となることで、各学部が専門性を高めつつ、重なり合う学問領域では相互によい影響を与えながら、進化していくことが期待できます。本学では、約10年前からアクティブラーニング(AL)に力を入れています。その中核となるのが、1、2年次の全学必修科目「共通基盤ワークショップ」で、1年次には学部・学科混成のクラスで令和5年度に募集しました寄付金についてご報告いたします。大学では、総額215万円のご寄付を頂戴し、全額を奨学金資金の充実に使用させていただきました。高校では、総額152万円のご寄付を頂戴し、全額を施設設備の充実に使用させていただきました。ご協力いただきました皆さまに心より感謝申し上げます。今後とも、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。グループワークやプレゼンテーション等を繰り返し、2年次では20余りのプロジェクトテーマに分かれて課題解決型実習(PBL)を行っています。ALを通して学生に身につけてほしいのは、自分の頭で考え、能動的に学ぶ姿勢や、コミュニケーション力を高め、課題解決のために他者と協働できる力などです。高度化・細分化が進む技術分野では、多分野にわたる専門知識を持った人々との協働は欠かせません。2学部体制では、より多様な興味関心を持った学生が集まり、本学のALの意義もさらに深まっていくでしょう。少子高齢化が急速に進み、経済や医療、教育等の格差が広がる現在、Society 5.0で提示されているような先進テクノロジーを活用することで課題を解決する社会を構築することが必要です。AIやメタバース空間、IoT、ロボット、そしてそれらの基盤となる機械工学や電気電子工学など、本学で学べるすべての専門領域は、人間が幸せに生きていくための未来の社会に欠かせない技術です。学生たちには、本学で自分たちの興味関心に沿った知識と技術を存分に追究し、知的好奇心を満たす楽しさを享受してもらうと同時に、未来の社会を自分たちの手で築いていくという技術者としての使命と誇りを感じてほしいと願っています。学 長木枝 暢夫THESHONAN

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