あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
世界の貧困率は2000年以来、半分以下に低下したものの、開発途上地域では今でも10人に1人が、1日1ドル90セントという国際貧困ライン未満で家族と暮らしています。また、さらに数百万人が、毎日この金額とほぼ変わらない水準で生活しています。東アジアと東南アジアの多くの国では、大幅な前進が見られているものの、サハラ以南アフリカでは依然として、この貧困ライン未満で暮らす人々の割合が42%にも達しています。 貧困とは、単に持続可能な生計を確保するための所得と資源がないことではありません。貧困は飢餓や栄養不良、教育その他基本的サービスへのアクセスの制約、社会的差別と排除、さらには意思決定への不参加など、数多くの形を取って表れます。 経済成長を包摂的なものとすることで、持続可能な雇用を提供し、平等を促進しなければなりません。社会保障制度を導入し、災害が多い国での被害の軽減に役立てるとともに、大きな経済的リスクに対する支援を提供する必要があります。こうした制度は、災害時に予期せぬ経済的損失に見舞われた人々による対応の強化に資するほか、最終的には最貧地域で極度の貧困に終止符を打つことにも役立つでしょう。
事実と数字
事実と数字
- 1日1ドル90セントという国際貧困ライン未満で暮らす人々は、7億8,300万人に上ります。
- 2016年の時点で、全世界の労働者のほぼ10%は1日1人1ドル90セント未満の所得で家族と暮らしています。
- 全世界の25歳から34歳の年齢層で、極度の貧困の中で暮らす人々は、男性100人当たり女性122人となっています。
- 極度の貧困の中で暮らす人々のほとんどが2つの地域に集中しています。南アジアとサハラ以南アフリカです。
- 脆弱で紛争の影響を受ける小さな国々では、貧困率がしばしば高くなっています。
- 全世界で5歳未満の子どもの4人に1人が、年齢に見合う身長に達していません。
- 2016年の時点で、少なくとも1件の社会保障現金給付を実効的に受給できる人々は、世界人口のわずか45%にとどまっています。
- 2017年には、米国とカリブ海を襲った3つの大型ハリケーンによるものを含め、災害による経済的損失が3,000億ドルを超えたものと見られています。