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鈴木 章矢さん


※内容は2023年11月取材時
綾瀬市立綾北中学校 技術科 教諭
鈴木 章矢さん
工学部 情報工学科(現 情報学部 情報学科)2018年3月卒業
大学院 工学研究科 博士前期課程 電気情報工学専攻 2020年3月修了

 教員を目指した理由
母は幼稚園の先生、7歳年上の姉が小学校で教員をしています。いつも家で職場での楽しい話を聞いていたので、子どもに携わる仕事って楽しいんだなと感じていました。次第に、数学が好きなので数学の先生になりたいな、バスケットボールをしていたので部活の顧問もしてみたいなと思うようになり、その気持ちが段々強くなっていって、進路として教員を目指すようになりました。
 教員という仕事の大変さ、やりがいを感じる部分
教員になって初年度から1年生の担任になり、幸運なことに、そのまま持ちあがりで同じ学年を3年間卒業まで受け持ちました。教育という面では、もしかしたら親御さん以上に携わることができたかもしれません。しかしその分、人を育てることの大変さも知りました。もちろん素直な子もいれば、反発してくる子もいて悩んだ時期もあります。それでも、1人の子が中学校の3年分、自分の目の前で成長していく姿を見るのは、やっぱり感動的。自分も3年間で成長しましたが、それ以上に子どもたちは成長します。それを近くで見られるのが教員としての醍醐味ではないでしょうか。
職場の環境は恵まれていて、悩んだ時には、同じような経験をした同僚や先輩がそれとなく声を掛けてくれます。「先生」は生徒に目配りをする、人を見る職業なので、気がついてくれるのかもしれません。

学校には、国籍、障害、生活環境などさまざまな個性を持った生徒がいます。「技術」はすべての生徒が履修する科目なので、よりよい授業をするために、よりよい学級にするためにどうすればよいか、ということをいつもすごく考えています。
勤務校は米軍基地が近いので、日本語をあまり話せない子もいます。技術の授業では日本語指導協力者の先生が付きませんが、危ない作業も、まずは自分がやってみせて、その後は生徒同士で教え合うような環境をつくっています。
教員になって1年目に、上司の先生から「教員の話が少ない授業の方がよい」と教わりました。一番いい授業は子どもたちが主体となって話す授業。子どもたちで授業をつくるのだと。上司も同じように若手を育てているのだと思います。私は、周りの人に恵まれていると感じます。
 これから教員を目指す人へ
初めは数学の教師を目標にしていましたが、大学の教職課程で技術科免許の勉強をしているうちに、「技術」って楽しいなと思うようになりました。
父は大工をしており、小さいときから建築現場に連れて行ってもらい、手伝うこともありました。今思うと、技術科の「木材加工」に必要な知識は父から教えてもらっていたんです。大学ではプログラミングを中心に情報工学を4年間学び、大学院では電気情報工学を専攻していました。電気や情報の知識をもとに、生徒全員に配付されているタブレットが実際にどうやって動いているのか、自分達の身の回りのプログラミングで動いている製品や携帯電話などがどうやって動いているのかなどを具体的に説明してあげると、みんな興味津々で聞いてくれます。

また、教職課程を履修中に6号館の裏の畑で作物をつくっていたことも今生きていて、それが自分の楽しみにもなっています。学校の敷地内の広い空き地を自分で開墾して畑にし、週2回、支援学級の子どもたちと授業で畑仕事をしています。みんな一生懸命に取り組んでくれるし、家庭科の授業に提供して調理実習で自分たちが育てた野菜を食べることもできます。少しの手助けで、子どもたちが自発的に動いて楽しそうにしている姿を見るのはとても楽しいです。
「技術」は基本的に実習授業なので、「勉強」という意識で来ないため、みんな楽しそうで、寝る子もいません。5教科が苦手な子でも活躍できる数少ない教科でもあります。勉強が苦手で学校に来られない子でも、パソコンならできる、ということはあります。そういう生徒を見つけたら積極的に声を掛けるよう努めています。

最初の希望通り数学だけを勉強していたら、今とは少し違っていたかもしれません。大学で、日々進化しているさまざまな分野を学び、先生方やいろいろな人の話を聞いて、いろいろな情報が自分の知識になっていきました。それらを生かせる「技術科」が合っていたのだと思います。湘南工科大学で学んだ6年間で得たものは、本当に多かったです。

大学で学んだことは、今すべて役に立っています。学科によって特色も専門性も違いますが、それらを教科に反映させられると、子どもたちが学びたいと思う部分もあるので、いい授業になるのではないかと思います。
湘南工科大学の強みは「専門性」を得られることです。直接「半導体」の知識を子どもたちに話すことはなくても、間接的に通じる内容であることもあるので、自分の専門分野をしっかり勉強し、知識をつけておく。いろいろな先生たちと話をする。そうやって自分の引き出しを増やしておくと、生徒も聞いていて楽しい授業になると思うし、自分も話していて楽しくなるはずです。
子どもたちは大人と話したい、いろいろなことを聞きたいと思っています。
自分の専門分野をしっかり勉強し、知識をつけておくといいと思います。
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