出し惜しみせず全力で駆け抜けろモノづくりする際に重要なアイデアですが、そのすべてに賞味期限があると考えています。初動が遅れたら、そのアイデアの価値は廃れてしまうかもしれません。スピードはとても大切です。湘南工科大学は技術者を育成するための設備が充実しています。それらの設備を学生たちに開放してくれます。「あんなものを作ってみたい!」そう思った時に、すぐに叶えられる環境が整っているということは、とても大切で幸せなことかもしれません。大学生活は人生の夏休みのようだったと今、振り返って思います。長いようでとても短い限られた時間の中で、出し惜しみをせず、好きなことや、やりたいことに全力で取り組んでいただければと思います。
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工学部 総合デザイン学科2020年3⽉卒業
大切な親子の時間を支える事業に感銘
子どもの頃からモノづくりが好きでした。航空系の開発技術者だった父親の影響もあると思います。小さい頃はよく一緒にレゴで遊んでもらいました。そういった経緯もあって大学に入る時には「将来はモノづくりを生業にする」と決めていました。
3年次に研究室の先生から声をかけていただき参加した、IoTを活用したベビー用品のアイデアコンテスト「ピジョン学生アイデアコンテスト」で、ピジョン株式会社と出会いました。当たり前の話ですが、赤ちゃんって、生まれたばかりの命ですよね。命に寄り添うモノづくり、赤ちゃんが安心して過ごすための、親子の大切な時間を支える事業の偉大さとその責任、独自性に強く惹かれて入社を希望しました。今はベビー向けの大型商品を開発する部門に所属し、ベビーカーの性能試験や、今年からは主担当としての商品開発などを行っています。大切な赤ちゃんの安全を守る重要な役目を担うベビーカーなので、一瞬たりとも気が抜けません。ピジョンのベビーカーは、赤ちゃんにとって快適で安全性に優れている、ということは大前提で、さらにそのベビーカーを扱うお母さんやお父さんにとっても快適で安心に使っていただけるベビーカーを目指して、日々考え続けています。
自分の理想像が
大学での学びで形成された
特に思い出深いのは、3DCADでの設計の授業です。二人一組でペアを組んで作品を作り上げる課題では、なかなか上手くいかず、試行錯誤の中眠れない日々を過ごしました。最終的に変形するロボットをCADで作り込んで発表すると、「おおお!」というどよめきが教室で上がったんです。その時の感動は今でも鮮明に覚えています。それに、好きなだけ時間をかけて没頭し、モノづくりの苦しさ、楽しさを味わえたのは、今考えると、とても贅沢な授業だったのかもしれません。
恩師でもある研究室の先生からは、“遊び”の大切さを教わりました。仕事も遊びも楽しんでやること、心のゆとり、そういったものがモノづくりにおけるデザインの“最後の決め手になる”と。そして、「モノは人が使うということ」「使う人、見る人が“楽しい”と感じる遊び心を忘れないこと」の二つは、自分が仕事に向き合う上で常に考えていきたい指標そのものです。
潮流を築く第一人者へ
将来は、主体的にモノづくりに携わり、その分野において潮流を築く人材になりたいです。“第一人者”という言葉に憧れているんです。このベビー大型商品事業の中で、まだ誰も開拓していない新しいジャンルを自分が切り拓きたい。そして社会の宝である赤ちゃんやその家族に貢献し、経営理念でもある“愛”にあふれる人生と社会を創造していきたいと思っています。
ピジョン株式会社
1957年の創業以来、経営理念に「愛」を掲げ世界各国で事業を展開。赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にしたいと考えている。ピジョンは、赤ちゃんが生まれながらに持つ素晴らしい力を育み、すべての赤ちゃんがありのままに輝ける世界の創造を目指す。
企業DATA
ピジョン株式会社
設立/ 1957年8月
資本金/51億9,959万円
従業員数/本社373名 連結3,886人
事業内容/育児・マタニティ・女性ケア・ホームヘルスケア・介護用品等の製造、販売および輸出入ならびに保育事業
※2020年12月