文系科目が得意だった学生が
AIを学んでデータサイエンティストへ
大手システム開発会社に内定した
先輩学生を直撃取材!!
情報学部の学びによってどのような未来を描けるのか、皆さんがイメージしやすいように先輩学生に直接話を聞いてみた。就職活動の体験談やデータサイエンティストに求められる力など、興味深い話も。ぜひ参考にしよう!!
大澤 勇翔さん工学部 情報工学科4年
神奈川県立麻溝台高等学校出身
ICTで農業を支援する
アグリテック分野を志望
シアン:大澤さんの内定先を教えてもらえますか?
大澤さん:大手システム開発会社にデータサイエンティストとして内定をいただきました。
シアン:どのような分野の仕事を希望されていますか?
大澤さん:ICTを生かして農業の生産支援を行いたいと考えています。いわゆるアグリテックと呼ばれる事業です。正式な入社は2023年4月ですが、すぐに仕事を覚えたかったこともあり、現在はインターン生として週2日ほど働かせていただいています。
シアン:もう仕事に携わっているんですね!!そもそも、大澤さんが内定先の企業に興味を持ったきっかけは?
大澤さん:3年次のインターンシップに参加したのがきっかけです。エンジニアの社員の方々と話をする機会がありまして、「こんな素敵な先輩方と一緒に働きたい」と思いました。
シアン:人に魅力を感じたんですね。
大澤さん:はい。さらに、AIによるデータ解析などエンジニア自らが実装している点にも魅力を感じました。実は、ほかのIT企業のインターンシップにも参加しましたが、AIを研究している学生からすると、「この技術はAIなのだろうか?」と疑問を感じることも多々ありました。それもあって身につけたAIのスキルを十分に発揮できる企業を選んだのです。
シアン:ところで、大澤さんはなぜアグリテックに興味を持ったんですか?
大澤さん:ロシア・ウクライナ問題の影響もあり、食糧危機が世界規模で深刻化するのではないかと言われています。また、日本国内でも農業の担い手不足もあり、ICTを活用したスマート農業の重要性がますます高まっています。人間は食べ物がないと生きていけませんので、農業は確実に成長が求められている産業であり、AIが活躍する場も大きいからです。
シアン:大澤さんは週2日働いているそうですが、現在はどのような仕事を任されているんですか?
大澤さん:上司であるプロジェクトマネージャーと協働してAIを使って農作物の収穫を予測しています。これまでは人が目視して収穫時期を予測していましたが、大きな農場になると大変です。そこで、AIの画像認識処理を活用することで、いつ、どれだけの数を出荷できるかが事前に分かるのです。
シアン:何だか難しそうですが…仕事は面白いですか?
大澤さん:はい!AIと農業の2つの知識を用いて自分の中で推論して仮説を立てるのですが、そのプロセスがとても面白いですし、やりがいを感じています。
シアン:まだ大学4年生ですが、大澤さんはすっかり社会人の顔をしていますね!
多角的に物事を捉えられる
データサイエンティストへ
シアン:大澤さんは、以前からAIに興味があったんですか?
大澤さん:実を言うと…高校時代に得意だったのは文系科目で、数学は大っ嫌いでした。
シアン:あれ?数学ってAIには欠かせない科目では…?
大澤さん:その通りです。ただ、大学で何を学ぼうかと考えたところ、「将来AIの価値はとても高くなるはずだ」と思い、嫌いだった数学を必死に勉強して、AIを研究できる湘南工科大学に進学しました。
シアン:大学ではどんな研究をしているんですか?
大澤さん:ランダムフォレストという機械学習のアルゴリズムの手法を用いて、データ分析において精度の高いモデルを構築するという…簡単に言うと、「賢いAI」をつくるための研究ですね。
シアン:学修成果は表れましたか?
大澤さん:はい、3年次に大学生や大学院生を対象としたAIのデータ分析コンペティションに参加しまして、名だたる大学がエントリーしている中で5位に入賞しました。
シアン:おお〜!!おめでとうございます!
大澤さん:現在は総務省主催の『統計データ分析コンペティション2022』にエントリーしまして、出題されたテーマの分析に取り組んでいます。総務省統計局が保有する500項目以上ものさまざまなビッグデータをAIで分析して要因を導き出すというものです。
シアン:ご、500項目以上!!
大澤さん:例えば、都道府県別に分けられた食品ごとの消費量、人の行動データ、産業別の従事者数など、あらゆるビッグデータをAIで分析することで出題されたテーマの傾向を探ります。一見すると関連性の低い項目もあるのですが、食品であれば栄養素を抽出して分析すると要因につながっているかもしれません。そのような仮説を立ててAIで検証する作業を行っています。
シアン:はあ〜、ビッグデータの分析ってもの凄く大変そう…。
大澤さん:いえいえ、分析はAIがしますので。データサイエンティストの大切な役割は、まず仮説を立てること。そして、その仮説が正しいかをAIで分析して検証します。
シアン:ほかの仲間や先生にも相談しているのですか?
大澤さん:はい、もちろん。湘南工科大学の良さは先生方との距離が近いことです。大きな教室で先生の説明を黙々と聞いている授業ではなく、先生が学生のすぐ横にいる高校の延長線上のようなイメージに近いかもしれませんね。そこにAIを研究している学生たちが年次を越えて集い、学生同士でグループワークに取り組んでいます。課題にぶつかったりアイデアに行き詰まったら、先生にいつでも相談することができます。
シアン:大澤さんは大学でどんな成長ができましたか?
大澤さん:AIの進化はとても早く、「データサイエンティストは日々勉強」と言われるほど、ソフトもソースコードの書き方も目まぐるしく変わっています。そのような中で、海外の知見を取り入れる情報収集能力や、チームで取り組む協働力と課題解決力は成長したのではないかと感じています。
シアン:大澤さんのように「将来データサイエンティストになりたい」と希望する人にアドバイスはありますか?
大澤さん:データサイエンティストは、AIの知識がなくてもExcelの比較統計だけで分析することができます。ただし、それは単回帰分析しかできず視点がミクロになりがちです。一方で、AIの知識があるデータサイエンティストは、ビッグデータを用いた重回帰分析が行えることからマクロな視点で多角的に物事を捉えることができます。後者のほうが今後も需要は高まるはずです。だからこそ、ぜひ皆さんにはAIを学んでほしいです。最初はAIの知識がなくても安心してください。湘南工科大学の先生たちが基礎からしっかりと教えてくれますので!
シアン:(私の住む未来社会でも、AI人材がまだ足りないからなあ。この記事を読んで少しでも興味を持ってくれたらうれしいな)大澤さん、本日はありがとうございます!社会人になっても頑張ってください!
詳細情報は、大学公式Webサイトの入試情報ページをご確認ください。
※内容は取材時のものです。
(2022年9月18日更新)
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